| 鉄道研究会WOO>ノンJRの旅山陽編>1日目−4 |
| 井原鉄道に乗車する |
| (1日目−4 総社−神辺−福山) |
| ● ノンJRなのにJR線内を通過! 総社からは井原鉄道に乗り込みます。ちなみに井原は「いばら」と読みます。 井原鉄道は2000年に開業したばかりの新しい鉄道です。 岡山県の総社を起点に,社名になっている井原を経て,広島県の神辺に至る約40kmの鉄道です。 とはいえ,起点の総社から次の清音までは井原鉄道のディーゼルカーはJR伯備線の線路を走ります。 「井原鉄道の車両に乗車しているとはいえ走っている線路がJR伯備線では,ノンJRにはならないではないか」というお叱りを受けそうです。それでも乗車できると判断した理由は「第2種鉄道事業者」という考え方です。 国鉄が分割民営化された折に,JRや既存の鉄道会社は「第1種」「第2種」「第3種」の鉄道事業者に分類されることになりました。 「第1種鉄道事業者」とは日本にあるほとんどすべての鉄道会社がそれに該当します。簡単にいえば‘自前の車両’を‘自前の線路’で走らせている場合を指します。 「第2種鉄道事業者」とは車両のみ自前で保有し,他の会社の線路を走らせる形態で運営している場合を指します。また「第3種鉄道事業者」は「第2種〜」に線路を貸している‘線路保有会社’となります。 例えば,JR東西線の線路はJR西日本ではなく「関西高速鉄道」という会社が保有しています。しかし,JR西日本は第2種鉄道事業者として運行しているので,同線のダイヤとか運賃の設定はJR西日本の主導で行ない,線路使用料を第3種鉄道事業者である関西高速鉄道に支払う形となっています。とはいうものの事実上JRの路線として扱われているのはご存知の通りでしょう。同様の例として関西国際空港のJR線と南海線のケースがあげられます。 混同しやすいのは北大阪急行のケースです。北大阪急行は御堂筋線に乗り入れていますが,これは第2種でも第3種でもなく単なる相互乗り入れです。事実,北大阪急行の運賃体系を御堂筋線に持ち込んでいるわけでも,その逆でもなく,お互いに独立した鉄道として認知されています。 井原鉄道の場合は起点の総社−清音が第2種鉄道事業者(JR西日本が第3種)であり,独自の運賃設定権も保有していることからみても,事実上この区間は井原鉄道そのものとみなすことができるのです。 ただし広島県側の神辺−福山でもJR福塩線に乗り入れていますが,この区間はJRへの単なる乗り入れ区間であるため,この区間を乗車することはノンJRのルールに反することになります。 というわけでその総社駅ですが,改札口もJRと井原鉄道は別,ホームも別という構造になっていて,「JRとは違う会社なのですよ」ということを,ことさらに強調しているかのようです。 さらに目を引くのは「Okmポスト」です。ここが井原鉄道の起点であることを示しているわけで,この区間を乗車することの裏付けできたみたいで嬉しい気持ちになります。 神辺行きの列車がやってきた。夕方ということもあって2両編成での運用です。すでにまずまずの乗客で座席が埋まっています。 総社を発車した列車は何かと問題になっているJRの線路を快走して清音に到着。ここでJRからの乗換客が次々と乗り込んできて座席はほぼ全部埋まりました。失礼ながらローカル線としては大健闘ではないでしようか。 ● 単線だけど高規格! 清音からは正真正銘(第1種鉄道事業者ということね)の井原鉄道ということになるわけですが,JR伯備線とは立派な立体交差で分岐するのが驚かされます。 すぐに川幅の広い高梁川を立派な鉄橋で渡ります。この鉄橋はわぎと表面を錆びさせることにより内部のさらなる腐食を防ぐというタイブの橋だそうです。そこから先は立派な高架線.次の川辺宿駅も立派な高架駅‥・と立派立派のオンパレードです。 井原鉄道は旧国鉄の新線‘井原線’として計画され,その前提として当地のローカル私鉄であった「井笠鉄道(井原鉄道と間違いやすいので注意!)」を廃止してしまったわけです。ところが様々な理由により建設が凍結されてしまいました。 「そんなアホな!どないなんねん!」という状態が長年続いた上で,ついに‘井原鉄道’として建設再開が決定。井笠鉄道の廃止後28年という長い年月を経て井原鉄道が開通したのです。 全線にわたって高規格で建設されていて,気合の入れ方が伝わってきますが,途中の主要駅の井原から先は乗客も激減し,せっかくの設備がもったいないような気がします。 ● 今後は大丈夫なのか? 一見,順風満帆な井原鉄道であるが,このままではヤパイのではないかという状況も散見されます。 まずはロケーションの問題ですが,両端こそ既存のJR線と連絡していますが,それぞれの地域でのローカル輸送としての役割しか果たしておらず,収入的に大助かりの長距離客があまり期待できないことがあげられます。 最近開業したこと,同じ岡山県を基盤とすること,両端がJR線と接続している点で親似点が多い鉄道に智頭急行というのがあります。この智頭急行の場合は大阪から鳥取への最短ルートというである利点を活かして特急列車が運行されているため,全線通しの乗客が多い上に特急料金までもがまるまる入ってきます。このため収入的には多くを見込めないローカル列車も安心して運行することができるのです。 しかし,井原鉄道の場合は10数km南方をJR山陽本線や新幹線が並行しており,バイパスとしての機能は一切期待できません。しかも岡山・倉敷への直通は全くなく,福山へは1日3往復が乗り入れるのみですu さらに沿線随一の町である井原からは,井笠鉄道バスが福山までのバスを頻発させています。これでは利用する乗客がほとんど見込めないのも同然でしょう。 せめて岡山への乗り入れを推進しないと今後の発展は見込めないと思います。例えば北大阪急行の電車全てが江坂止まりで,そこで乗り換えないと梅田にいけないのでは不便で仕方ないのと同じことです。せっかくの鉄道なのですから便利にして乗客増を図ってほしいものです。 ● 明日はサイクリングだ! 終点の神辺からは井笠鉄道バスで福山へ行きました。もう陽も暮れてしまい,次の目的地の尾道方面に向かうバスはもはやありません。JRなら遅い時間まで何本でもありますが,まさかそれに乗車することはできません。 というわけで本日の行動はこれでおしまい。駅前のビジネスホテルに飛び込みで部屋を申し込むと,人数が多い(7人)ということで料金を値引きしてくれました。これはラッキーーです。 すでに尾道まで行ってしまっていたM.Oさんを福山まで呼び戻し,たった今福山に到着したKe.S君とS.I君も合流し,総勢8名の賑やかさでビジネスホテル併設の居酒屋で夕食をとりました。しかし事前の取り決めによりお酒を飲むことは自粛しています。まあ到着後にブレイクするということでここはとりあえず我慢です。 初日のみ参加のSe.M君はその日の新幹線で引き上げていきました。ご苦労様でした。 明日はいよいよしまなみ海道のサイクリングです。しかし,その前に尾道に行かねばなりません。残念ながら途中の松永−東尾道は徒歩移動という苦難が予想されています。 果たしてうまくいくのでしょうか‥・ということで続きは来月号です。ではでは。(この項終わり) |