鉄道研究会WOOノンJRの旅山陽編4日目−1
九州上陸、そして感動のゴール
(4日目 下関−飯塚−博多)
 ついに九州である.九州に入ってしまえば、西鉄バスの天下である。従ってここからはバスがいくらでも走っている.時間的にもかなり余裕がある。
 そういうわけで、一つ寄り道したい場所があった。それが「飯塚」である。
◆まずは九州へ
 下関からバスで御裳川(みもすそがわ)へ向かい、そこの関門トンネル人道入口に入った。このトンネルで九州上陸を果たすわけである。
 ちょうどトンネルの中の県境のところまで来たとき、自転車の親子連れとすれ違った。「シャッターを押してもらえますか?」との言葉に快く応え、話を聞くと、お父さんの方が「これから60日かけて北海道まで自転車で行きます」との返事。我々だってここまで大変な旅行はしていたが、このお父さんとは勝負にならない。こちらの旅の目的を言うことなく、無事を祈ってお別れした。
 そしてトンネルを出て、門司港側に上陸した。ついに九州にたどり着いたのだ!

 ここからは楽勝である。門司港へ出て、小倉まで出れば、あとは博多までいくらでもバスが走っている。というわけで、門司港で1時間、観光時間をとることにした。ここ数年、門司港は「門司港レトロ」と称して、観光に力を入れている。元々古い建物がそのまま残されているところだし、この日も観光客がそこそこいたのだが、なぜか古い建物の後ろに巨大なのっぽビルが建っており、写真を撮るときにすごく邪魔になっていた。とりあえすそれを回避するように写真を撮ったが、ほかにも「レトロっぽい外壁にしてみました」という新品の建物(ガラス博物館だったか?)があったりと、今ひとつな雰囲気である。力を入れているということはよくわかったのだが、この辺は観光客のわがままなのだろうか。
 他にも地ビールの店とかがあったが、まだ飲めないので、無視してバス停に戻った。

◆内陸部に向けて
 門司港から小倉駅前へ、そしてバスを乗り継ぎ、黒崎駅前へ。実際には黒崎バスセンターで降りた方が良かったのだが、事情がわからなかったので、黒崎駅前で下車した。だがそのおかげでCOCO一番を発見することができた。
 一旦筑豊電鉄の黒崎駅前駅(バスセンターに隣接)に行き、電車の時刻を調べる。すると9分おきにいくらでもあることが判明したので、ここで昼食を取ることにした。で、商店街を覗いたが、気軽に食事がとれる場所が見あたらない。迷う時間が惜しいので、結局先ほどのCOCO一番でカレーを食ぺることにした。まあ、いいか。

 昼過ぎに無事黒崎駅前を出発。一番前の席に座ったが、そこに設置されているモニタに不思議なものが映っていた。通常は次の駅をお姉さんがビデオで案内してくれるのだが、案内ビデオが流れていない時は、なぜかMSXの初期画面を表示しているのだ。1985とか書いてあったが、あれは一体何だったんだろうか?まさかMSXでビデオを制御しているとは思えないし、第一それなら初期画面を表示するはずがない。筑豊電鉄の謎である。

 そして30分ほどの旅を終え、終点の筑豊直方に到着した。駅のすぐ前にはバス停があり、そんなに待たずにバスが乗るようだ。しかしこのバス停からでは、JR直方駅までしか行けないらしい。きっと直方まで出れば何かあるだろうという期待を込めて、そこからバスでJR直方駅まで。ちなみに乗ったバスは女性の運転手さんだった。
 思った通り、駅前にはちょっと(かなり?)古めのバスセンターがあった。これで次のバスの時間を調べると、飯塚バスセンター行きがさほど待たすに来るようだ。というわけで、早速これに乗車することにした。なかなか乗り継ぎがよろしい。

◆飯塚到着
 飯塚、今回この旅行を実施するに当たって、寄り道したかった場所である。小倉駅からなら、何も直方や飯塚を経由しなくても、もっと早く効率よくバスで博多にたどり着ける。もちろん途中にある筑豊電鉄に乗ってみたいということもあった。だが、時間もあることだし、できれば立ち寄りたかったのだ。
 なぜ飯塚なのかは1986年8月号〜1987年6月号を参照していただきたい。って、そんなのを参照できる人がどれだけいるんかいな?
 まあそれはさておき、とりあえず1年ほど飯塚に住んでいたことがあり、新飯塚駅や飯塚バスセンターなど、実に18年ぶりに訪れることになったのである。
 というわけで、まずはバスセンターまで行かず、途中の新飯塚駅前で下車することにした。ところがその駅は、私が知っている新飯塚駅とは大きく変貌を遂げていた。
 どこにでもある田舎の地上駅だったのだが、今は立派な橋上駅になっている。また線路を挟んだ反対側には改札がなかったのだが、今は橋上駅によって反対側に降りられる上、ロータリーまでできている。ここは炭坑が華やかな頃、それらを運ぶ広大なヤードとして存在していたが、私が見たときにはただのだだっ広い空き地でしかなかった。とにかく駅に関しては、ほとんど見覚えのある部分が残っていない。ホームにわずかに残っていた古い屋根が、当時の面影を残しているだけだった。
 駅のみどりの窓口で聞いてみた。「以前このあたりに住んでいたのですが、ずいぶん変わりましたね」すると駅員さんが「この駅はおとといオープンしたばかりです」との返事だった。つい2日前から、この新しい駅が動き出した、ということである。嬉しいやら、寂しいやら、何やら複雑な気持ちになった。
 地面に残る新しいアスファルトの形から、何となく古い駅舎の形を想像しつつ、新飯塚駅をあとにした。そういえば、バス停前にあったパン屋もまだ健在だった。入ったことはなかったが。

 ここから飯塚バスセンターまでバスでの移動だ。貧乏だった当時は歩いて移動したが、今回はバスである.到着した飯塚バスセンターはあまり変わっていなかった。お盆ということもあり、バスセンターの上のスーパーは閉まっていた。確かここの上の本屋でよく立ち議みしたっけ。次のバスまでしばらく時間があるので、二人と別れて少し歩いてみることにした。風景についてはほとんど覚えていない。この辺はあまりうろちょろしなかったこともあるが、それでも何となく「ここに映画館があった」とかいうことは覚えていた。

郷愁に浸ってバスセンターに戻った。というわけで、1時間にも満たない飯塚訪問は終了した。他にも立ち寄りたいところがなかったわけではないが、それはもういいだろう。そして当分、場合によってはもう二度と、ここ来ることはないのだろうな、と思った。

◆ゴールの博多に向けて
 ここから特急バスに乗れば、専用道路を通って一気にノンストッブで博多までたどり着ける.しかしそれでは面白みがない。というわけで、ここはあえて急行バスを選択した。あちこちのバス停に停まりつつ、徐々に博多に近づいていく感じを味わおう、ということである。
 そしてH.K君の乗る飛行機の到着時間が、こちらのバスの福岡空港到着時間とちょうど一致するようだ。そこで急遽予定を変更し、福岡空港で下車することになった。
 1時間ちよっとのバスの旅を終え、福岡空港に到着した。1・2番ターミナルで下車したわけだが、H.K君の乗っている飛行機は3番ターミナルに到着するらしい。これが結構距離がある。というわけで歩いて歩いて、到着予定5分前にロビーにたどり着いた。が、3番ターミナルは1番、2番と違って明らかに人の数が少ない・おみやげ屋さんも見あたらない。どういうこっちゃ?
 飛行機を待っていると、到着が10分ほど遅れるとの表示に変わった。「あいつ、何かやったのか?」とは思わわなかったが、とりあえず到着はするらしい。
 そうしてしばらく待っていると、見覚えのある顔が目に入った。「本来は僕がお出迎えしなければいけないのに」と言いなから、ゴールぎりぎり手前でようやく合流を果たした男は、恐縮しつつも満面の笑みをたたえていた。さあ、ここからは感動のゴールを残すだけだ!
 そして地下鉄の駅にやってきた。とうとう最後のノンJRだ。ところがそこで待っていたのはJRの車両。相互乗り入れをしているらしい。JRの車両でも、地下鉄の線路を走るわけだから、ノンJRのルールには引っかからないとは思うが、やはりここは地下鉄の車両に乗って博多に向かいたい。というわけで一本乗り過ごし、次の電車で博多に向かった。

◆感動のゴール!
 あいにくの曇り空となってしまったが、ついに博多駅に到着した。東京駅のような、雰囲気のある煉瓦造りの駅ではないが、それでも博多駅である。とにかく博多駅と書いてあるところまで移動して、周りの目を気にしなから数牧の写真を撮影した。タクシーの運ちゃんたちがこっちを見ているが、この際気にしても仕方がない。今時博多駅前で記念撮影するような観光客もいないだろうが、どこから見ても観光客の行為である。気にしても仕方がないとはいえ、やはり結構恥ずかしい。
 結局最初から最後まで参加したのは、前回同様の3人。前回も思ったが、二人の顔は真っ黒である。今回はしまなみ海道が入っているので、おそらく前回よりも真っ黒なのだろう。きっと私の顔も真っ黒になっているに違いない。ついに、とうとう、本当にやり遂げたのだ!

◆宴
 このあとはホテルにチェックインを済ませ、福岡ドームの鷹正で、北九州で行われているホークスの試合をテレビ観戦しながら、これまでの話に花を咲かせた。まずは乾杯〜〜っ!!んぐっ、んぐっ、ふぅぅ〜〜。いやあーこれまで我慢してきた甲斐がありました。前日のふぐ料理屋では、周りがみーんな酒を飲んでいる中(居酒屋なので当然なのだが)、酒抜きで黙々とふぐを食べていたわけだから、3人とも重苦しい雰因気で押し黙ったままだったのと違い、今日は実に軽やかに話が弾む。
 ビールを飲み、日本酒を飲み、おいしい料理を食べて、ホークスが一点差に追い上げられたところで店を出て天神に移動し、そこで屋台ラーメンを食べた。店は「一竜」。7〜8人ぐらいの待ちがあったが、さすがに行列ができるだけあって、うまい。本当にうまい。そのうまさに感動しながら、きれいに平らけた。
 もっとも、その感動に浸るあまり、帰りのバスも地下鉄もなくなってしまって、タクシーで分乗して帰ることになったのだが。
 とにかく、「本当にできるのか?」と思われた今回の旅も、本当にできてしまった。次回もこんな旅があれば参加してみたい。正直そう思った。