鉄道研究会WOO桜島ゆきえのナイトメアな1日神戸南京町

南京町って京都の地名じゃなかったのね…

桜島ゆきえ(もちろんペンネームよっ!)

 WOO誌の読者のみなさん…お久しぶりね。桜島ゆきえです。8月にあったJRの路線を乗り継ぐという『苦行の旅』に訳もわからず参加してから、はや2ヶ月。あの時は、何が悲しくて電車ばっかり乗っていなければならないの?……もう金輪際マッピラ御免だわ……と心底思ったわ。
 そんなワタシの電車に対する嫌悪の気持ちがサトシ君にも伝わったのか、しばらくの間はサトシ君から詫びを入れるメール が毎日のようにあったんだけど、あの子には少々お仕置きも必要よねと思ったから、しばらくの間はけんもほろろな対応をお見舞いしてやったわ。
 でもある日「今度の日曜、神戸に海でも見に行きませんか?電車はあくまで神戸に行くための手段としてのみ利用します」ってメールがあったのね。サトシ君もなかなか反省したわねっ…とその時は思ったわ。いつまでも犬猫をあしらうような返信ばかりではサトシ君も可哀想だから、そろそろちゃんと対応してあげてもいいわね…っと思って、サトシ君と神戸に行くのをOKすることにしたの。

 そして当日、待合せ場所の阪神梅田駅の改札口で待ってたんだけど、そこで天地を揺るがす驚愕の事実が判明したわ。なんとその場にはサトシ君以外に大人3名子ども2名がいるじゃないの!これってデートじゃなかったんだ!
 「いったいぜんたいどういうことよ!?」……状況がまだ十分に飲み込めていないワタシは大声で叫びたい気持ちを何とか抑えつつサトシ君を問い詰めたわ。するとサトシ君ったら「いや、前回(8月のJRの取材)のこともあったし、取材という意味だったんだけど…」って言い訳していたわ。そんな意味ワタシに分かるわけないじゃないの!!…怒りが一気に沸点を超えてしまったわ。
 しかもサトシ君以外の大人3名も前回と同じメンバー……ワタシの足元(足の指先って言い換えてもいいわ)にも及ばないような小娘、自衛隊の制服組みたいな人、メガネでヒゲのおっさん……そして、そのおっさんの子どもと思われる小さなガキが2名いたわね。この集団の中にあってはブランド物で身を固めたワタシのほうがむしろ違和感あったじゃない。一度ならず二度までもこんな連中としばらくの間、一緒の時間を過ごすなんて、どこかの遠い国の核実験よりも衝撃なインパクト満載だわ。
 そんなこんなで、まずは阪神電車の春日野道で下車。防災未来館とカワサキワールドを見学したわ。それにしても各停しか停まらない春日野道から徒歩ってどういうことなのよっ!三宮からタクシーのほうが速くて便利に決まってるじゃない。この人たち普通にアホだわ!でも、防災未来館は今こうして生きてることに感謝させられる展示内容だったわね。

 というわけで、引き続いては神戸元町の南京町に移動……ここではおいしい中華料理が食べられるってことで『待ってました!』っていう感じだわ。
 大きな門をくぐって、異国情緒たっぷりの雰囲気…『さあ、どこに連れて行ってくれるの?』と思っていたら、「では、みなさん!店先での販売で気に入った食べ物を買い食いしよう!」って自衛隊の制服組みたいな人が言っていたわ…えっマジ!買い食い?
 ワタシにとっての中華料理とは円形テーブルでの食事…それも北京ダックとかフカひれの料理のことをいうのであって、それ以外……ましてや立ち食いなんてワタシには絶対にありえないことだわ。いったいぜんたい中華街にまでやってきてどこの店の中にも入らないなんて、この人たち普通にどうかしているわ。
 でも、「南京町は1980年ごろまでは道路も十分に舗装されておらず、しかも決して風紀がよいとはいえないような場所だったが、以降においては地元と行政の協力もあって著名な観光スポットにまで発展した」というメガネでヒゲのおっさんの言っていた説明……これは知らなかったわ。ていうか、南京町って文字だけ見ると『なんで今から京都に行くの?』と不思議に思っていたわ。
 さらには、「南京町の各店が店先に露店を出して軽食を販売しているのは阪神・淡路大震災のときに、被災した住民へのサービスとして行なわれていたもので、復興した現在でも新しい南京町の名物として存続しているんだよね」というメガネでヒゲのおっさんの補足の話には感心させられるものがあったわね。前回はつまらないオヤジギャグばかりで頭が痛くなったけど、たった2ヶ月だというのに成長の跡がうかがえるわ。南京町の露店販売にそんな経緯があったなんて意外よね……そういうことなら。露店で何か買って食べるのも一興だと思ったわ。
 みんな、からあげとか、汁そばとか、なぜかトルコアイスの露店もあったわね。思い思いのものを買って食べていたわ。えっ?ワタシは何を食べたかって?それは簡単には言えないわね…ってことで、これは永遠の秘密にしておくわ。

 中央の広場では長い行列ができていたわね。サトシ君によれば南京町で最も人気のある豚マンの店っていうじゃない?でも1時間も並ばないといけないというのは困ったものだわ。そんなに行列ができているというなら多分おいしいのだろうけれど、残念ながらそんなには待てないわ。ワタシが1時間以上並んでも平気なのはエルメスの新作発表フェアと、阪神百貨店のイカ焼きに限られるのよ。このことはサトシ君も覚えておくといいわね。
 ちゅーわけで今回の取材はこれでおしまい。午後5時でおしまいだなんて何だかとっても早いわね。何しろ前回は深夜0時寸前まで電車に乗り続けたんだから……それにしても電車好きの人々の知られざる生態をまたしても観察できて、とてつもなく貴重な体験だったわ。
 でも、電車とか変な連中とか、これを最後に金輪際まっぴら御免にしていただきたいわ。そのことを考えて誘っていただかないと、サトシ君にはいよいよ黄信号が点灯するわね。[この項おわり]

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